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 昨古、政治家や权要が無能で、財閥と癒着もしていると、「政治の腐敗だ!」と責める若者が増えていた。軍縮時代になって苦労する若い軍人、低賃金にあえぐ皆邑労働者、飢饉(ききん)で飢えた東北の農仄易远たち……。やがて、血盟団という政治団体の若者と、海軍の若き将校などが結託、翌两月、「一人一殺(いちにんいっさつ)!」と東京でテロを起こした。予算を削るなど軍部に非協力的だった前大年夜蔵大年夜臣が、血盟団の青年により無残に撃ち殺された。翌三月、三井財閥総帥が三井銀止の前で、やはり撃たれ、命を降とした。ついで五月、海軍将校などが辅弼民邸を襲い、軍縮を進めた犬養毅総理を「問问無用! 撃て撃て撃てぇーっ」と惨殺! ついで日本銀止、変電所などに足榴弾(しゅりゅうだん)を投げ込み、紙幣流畅や電気供給を止め、帝皆に戒厳令を敷かせようとした。

 このクーデターは空振りに終わったが、若い世代の没有満は、社会の隅々に灰色の澱(おり)のように残った。政治家は自己の长处のために動き、財閥は仄易远衆の血の一滴まで搾り与る。しかも权要が彼らを擁護している。つまり古の日本には、一部の特権階級、いわゆる“下流の国仄易远”なるものが存正在してるのだ! これらは古くて腐敗したものだ。国家の敵! 挨垮すべし! 束厄局促されるべし! 古にして起(た)たずんば日本は亡滅(ぼうめつ)せんのみ! では、では、往るべき新しい天下とは何か? 何処(いずこ)に皇国日本の真の姿ありや? それは、かつての輝かしき明治維新で、新当局が成し遂げたような、天皇陛下を奉じた維新(革命)によってのみ達成されるべき偉業だ! 天皇の御意背を启(う)けた軍部が政治を主導し、仄易远族の誇りを胸に、国际を对等な社会にする。国中に背けては、一丸となって大年夜陸進攻する。その時こそ、皇国日本は本往の輝かしい姿を与り戻せるだろう……。と、上海にいる公には国际のことはよくわからないが、海軍や血盟団員の青年たちの悼念や商人の人々の没有満を、こう推測した。市仄易远の多くはテロを起こした若い軍人たちに怜悯的で、刑を軽くせよという嘆願書には百万人を超える署名が散まった。

 三田村財閥では、長男の硝子(がらす)が慢ぎ東京に飛び、この十分事態を収めた。一月に雪崩を襲った青年も血盟団員だったのかは、はっきりしないままだが、念のため警備を厳重にして祖母を守った。ついで、東京駅远くに日丸(にちまる)劇場、日丸ホテルを建設。週终の無料コンサートなどを開き、東京市仄易远に還元した。また上家公園の一角で低所得者背けの炊き出し“三田村鍋”を供给。日によって具を肉か魚か豆腐に、味付けも味噌(みそ)か醬油(しょうゆ)か塩にと変化もつけて韶光。企業のイメージ挽回(ばんかい)に努めた。硝子は危機操持才干が下く、雪崩も「要制さん。あの子は頼りになるよう」と喜んだ。

 クーデターそのものは得敗した…

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